顔面神経麻痺の西洋医学治療 口が下がる症状(口角下垂)

なの花鍼灸整骨院はこれまで多くのクライアントさんにご利用していただいますが、当院に来られる方々は他の整形外科や整体院、鍼灸院、整骨院を2件以上回られてからのご来院が多いです。

顔面神経麻痺に関しては当院の鍼治療は大変効果的です。

今回は、口が下がる症状(口角下垂)についてお話をしていこうと思います。

参考文献は 顔面神経麻痺診療の手引 ーBell麻痺とHunt症候群ー   日本顔面神経研究所 編

西洋医学の病院で行われている口角下垂にたいしてどの様な治療をしているかについて考えたいと思います。

・吊り上げ術
単に皮膚切除を行う術式と筋膜あるいは人工物などを移植する術式などが行われるが、十分な効果は得にくいため、他の方法の補助手段としてか、全身状態の悪い患者など限られた症例に用いられることが多いとされています。

・側頭筋移行術
側頭筋を下方を茎として翻転し、その先端に口角部まで届くような筋膜を付着させ、口角部の吊り上げを行う術式や筋突起を含めて側頭筋の付着部を前方に移行して口角を吊り上げる術式があります。
しかし、口角の挙上運動がやや小さい、三叉神経支配の動きとなるため健側の表情筋の運動と連動しないなどの問題があります。

・血管柄付遊離筋肉移植術
頬骨弓部と鼻唇溝・口角部の間に筋肉を移植し、頬骨弓部を支点にして口角部を引き上げる方法です。
表情としては、笑いの再建を目的としています。
筋肉としては、広背筋、薄筋を用いられるのが一般的です。
血行を温存したまま筋肉を移植するために、顕微鏡視野下に血管を吻合するマイクロサージャリーの技術が必要である。通常は筋肉の栄養血管と顔面動静脈あるいは側頭動静脈とを吻合します。

また、下口唇の非対称に対してですが、顔面神経麻痺では、笑った時や口を開いた時に口唇下制筋、口角下制筋、広頸筋などの機能不全により下口唇の不対称が生じる。これに対しては、健側表情筋の機能を弱めて左右の対称性を保つ方法が報告されています。

また、よくあるご質問で顔面神経麻痺の手術を病院で勧められているのですが、どの様にしたらいいのか?

とのご相談を受けます。

これについてお話をしていきたいと思います。

内科や外科等の病院において顔面における表情筋に不可逆な障害が生じた症例(発症後2年以上が経過している)に対しては形成手術は有効とされています。

しかしながら、手術を受けたからといって完全に治ると保証されてはいません。。

以下に西洋医学でされる術法を書いております。

内科や外科等の病院において顔面における表情筋に不可逆な障害が生じた症例(発症後2年以上が経過している)に対しては形成手術は有効とされています。

背景として、表情筋の機能回復の望みがない場合、治療は個々の症状に対する対処療法の形をとります。
顔面神経麻痺の症状は多岐にわたるため、形成手術の種類も数が多いです。

形成手術の対象となる主な症状として、眉毛・上眼瞼下垂、閉瞼不全、口角下垂、下口唇非対称であり、それぞれの症状に応じて術式が選択されていきます。

表情筋に不可逆的な障害がある場合が形成手術の対象となります。陳旧例、先天性麻痺例のほか、頭部顔面の外傷や腫瘍などにより表情筋の欠損・高度障害が生じた場合などがこれにあたります。

陳旧例とは、麻痺発症後2年以上経たものがこれに相当されているとしていますが、明確な基準はできていません。

眉毛・上眼瞼下垂について

これらに対しては、眉毛上部あるいは上眼瞼の皮膚を切除する方法、大腿筋膜などを前額部に移植して眉毛部を挙上する方法、前頭骨に支持を置いて糸により眉毛部を挙上する方法、内視鏡下に前頭部の骨膜下剥離を行い、眼窩上神経を温存しつつ骨膜を切開し、眉毛部を挙上する方法などがある。

閉瞼不全について

顔面神経麻痺においては、閉瞼不全による角膜の障害を未然に防がなくてはならないとされています。
閉瞼不全を長い間放置しておくことは、特に三叉神経の麻痺を伴っている場合には危険です。

上眼瞼負荷術

金属片を上眼瞼の皮下に埋め込み、その重さによって眼瞼を閉じる方法です。
金属としては、比重が大きく、異物反応が少ないことから、純金が常用されます。
完全な閉瞼状態までは得にくいこと、異物反応が生じるおそれがあること、上眼瞼の組織が少ない症例では金属片の輪郭が外から見える事などの問題点があるが、手術が簡単なこと、無意識的な閉瞼が可能であることから全世界的にしばしば行われてきた。
しかし、我が国では、金はまだ医療材料として厚生労働省の許可が得られていない。

下眼瞼形成術

顔面神経麻痺では主として眼輪筋の弛緩により下眼瞼外反を呈する。若年者では目立たないことも多いが
程度の差はあるものの麻痺患者のほぼ全例に認められ、閉瞼不全の原因となっている。

側頭筋移行術

側頭筋の一部を有茎筋弁として外眼角部まで移行し、その先端に側頭筋筋膜を付着させ、その筋膜を縦に2分して上眼瞼と下眼瞼の皮下に通し、末端部は内眼角靭帯に固定する。これによって、患者さんは奥歯を噛みしめる動作によって閉瞼できるようになる。
確実な閉瞼が可能となる反面、閉瞼のためには意識的に歯を噛むような動作をしなければならず、慣れるまでに時間がかかる。機能的には上眼瞼負荷術より効果的な方法である。  とされています。

 

西洋医学を中心とする病院では、顔面神経の損傷の原因となっているウィルスの活動を抑えて、浮腫(むくみ)による神経の圧迫を除く薬物療法(お薬)と麻痺をしてしまった表情筋の動きを回復させて後遺症を予防するリハビリが柱となります。

顔面神経麻痺に対する治療の目標としては、感情を反映とした表情を表す表情筋の動きを取り戻す事です。

発症した直後の治療法は、原因がウィルス性と考えられているので、ベル麻痺とハント症候群の顔面神経麻痺では、できるだけ早く抗ウィルス薬によってウィルスの活動を抑える事が重要になってきます。

ベル麻痺の場合、中程度では抗ウィルス薬(バラシクロビル)内服を1日当たり1000mg投与し、重度麻痺で耳介に発赤があり、耳の痛み、味覚障害を合併している場合は1日当たり3000mgを投与します。柳原40点法でスコア20点以上の場合は、抗ウィルス薬投与は不要と考えられています。

神経のむくみに対しては、軽度あるいは中程度では、ステロイド(プレドニゾロン)内服を30mg開始して、次第に少なくしながら10日間投与させます。重度麻痺では、入院してステロイド点滴を120〜200mgから開始し、次第に減らしながら10日間投与します。

ハント症候群では、抗ウィルス薬(バラシクロビル3000mgまたは1500mg)内服を、できるだけ早く5日間投与します。むくみに対するステロイド投与はベル麻痺の場合と同じです。

これは、処方する医師によっても違ってきたり治療方針によっても絶対ではありません

顔面神経麻痺の治療にボツリヌス毒素(ボトックス)って有効なんですか? 

と聞かれる事が多いのですが、お答えします。

最近、顔面神経麻痺の治療としてボツリヌス毒素(ボトックス)があります。

これはボツリヌス菌からとったもので、ボツリヌス菌というのは、

ボツリヌス菌は土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布している嫌気性菌で、熱に強い芽胞を形成します。ボツリヌス菌の芽胞は、低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生されます。この毒素は、現在知られている自然界の毒素の中では最強の毒力があるといわれ、A~Gまでの型に分類されています。 東京都福祉保健局のHPからです。

と聞いて、何かいいイメージってないですよね?

このボトックスが有効なのが、顔面拘縮 病的共同運動 2次性顔面けいれん で筋力があるタイプです。

ボトックスは筋肉の縮みを伸ばして、顔面のこわばりを失くして、眼輪筋等を麻痺させることで病的共同運動や顔面のけいれんを抑えます。また、ボトックスのもう一つの目的が、顔面神経麻痺を意図的に再発させる事で、もう一度、顔面の筋肉を鍛える目的もあったりもします。

病院では、どの様にボツリヌスの注射を使うのでしょうか?

上眼瞼挙筋にボツリヌス毒素が入ると眼瞼下垂が生じてしまうために、この部位への注射はしない方がいいです。ボトックスは筋力低下をさらに低下させるので、これを最小限にするために、顔面神経麻痺が発症してから1年以上待ってから使用をします。

ボトックスの効果は注射後4ヶ月ほど持続されるといわれます。顔面拘縮は1〜2回ほどで回復が期待できます。しかし 顔面のこわばり と病的共同運動は再発してしまうので、多くの場合注射が必要となってきます。

 

ですので、顔面神経麻痺で少しでも治療方針や飲み薬に対して疑問があれば、かかりつけ医に相談をされた方がいいですよ。

 

当院の顔面神経麻痺の鍼治療では、早期の鍼治療により麻痺した神経・筋肉を回復させます。顔面神経麻痺は時間が経つほど、治りが悪く、後遺症が残ってしまいます。

発症から半年以上経ってから治療を始めてから改善する方もいらっしゃいますが、できれば発症から2ヶ月以内までには針治療を始めた方がいいです。

顔面神経麻痺については、西洋医学のお医者さんでも色々と考えがあって、早期に刺激した方がいいと言う方もいれば、1ヶ月は様子をみる為にステロイドのみの治療がいいと言う方もいます。

私の考えとしては顔面神経麻痺が発症してから30日前後から顔面神経麻痺の治療をした方がいいと感じます。そして顔面神経麻痺の後遺症を残さないようにしっかりと治療をしていきます。

顔の針は一見怖いし痛そうに思いますが、実際は痛みは少しチックとする感じです。患者さんの中には眠ってしまう方もいらっしゃいます。

治療頻度としては、顔面神経麻痺発症から2ヶ月目にはできるだけ週2~3回の治療を行い、ある程度落ち着いてきたら週1~2回程度の治療となります。

 

お気軽にご相談ください。



なの花鍼灸整骨院

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鍼灸治療が中心の治療院を福岡天神で行っています。お体の全身を調整する治療を得意としています。また耳鍼治療を取り入れており、不定愁訴や自律神経の不調を改善することで再発を防ぐのを心がけています。